2014年8月10日
日記っぽい記事も書いてみよう。というわけで、8月2日から5日まで、韓国のポステク(POSTECH、ポハン工科大学)で開かれた「Young Mathematician Workshop on Several Complex Variables」に参加してきました。
一種の研究集会ですが(ちなみに日本の数学界では「学会」と言えば春・秋の日本数学会の集会をたいてい指し、より一般的な名詞としては「研究集会」が使われる)、タイトルに「Young」とあるように、大学院生やポスドク、若い助教が中心でした。研究集会といえば、普通はもちろん年代など関係なく集まるものであって、こういうのは珍しい。だいたい日本、中国、韓国からの参加者で、そこに他の国からも数人が加わりました。
自分自身の講演はなかったので、他の人の講演を聴いて考えたり、あとはスケジュールの空いていた4日の午後にインフォーマルに自分の研究について話したりしました。当初は知り合い2〜3人に向けて話すつもりでいたんですけど(それまでに断片的に話題にしていた研究上の仮説について、もう少し系統立てて説明してみよう……という感じだったので)、いつの間にか聴衆が10人くらいに増えててびっくりした。
この集会は2年前、まずは名古屋大学と同済大学の共同集会という形で上海でスタートしました。名古屋大の多変数複素関数論グループには同済大学からの留学生が数人いたので、中国で大きな研究集会が開かれる機会に、学生同士の交流の場もつくってはどうかという話になったのだそうです。昨年は、韓国のメンバーも加えて名古屋で開かれました(名古屋大広報にも記事が載ってた)。そして「今度は韓国だよね」となったわけです。
まとまった時間の講演によって、お互いの研究について知るのはもちろん、その中で国ごとの研究上の特色というか、強みのようなものを感じ取ったりもします。年長の先生に入門的な講義もお願いしたりして、楽しい場になっています。それに、ここ2年で、この分野の日中韓の若い人たちは確実に仲良くなった。ただ仲良くなればめでたいのではなくて、高い目標を共有しながら進歩したいわけですけれど、そうなっていく素地ができていると思います。オーガナイザーありがとう。